【音楽配信】ストリーミングの再生回数と、収益の単価例(Spotify実例を2つ)

■ ミュージシャン向け情報

サブスクリプション型(定期有料会員型)ストリーミング再生で、1回再生されると、いくらの収益になるのか。

ここでは、年度の違う例を2点あげ、ストリーミング再生1回あたりの金額と、ストリーミング単価が違うことについての考察をしてみたいと思います。

Sporifyの収益は、正式に公表されていません。アーティストによっても、時期によってもばらつきがあることにご注意ください。

1例目:2014年の一例(トリコロジストのブログより)

原文はトリコロジストのブログ投稿より。トリコロジストは、「クリエイターの権利を守る」をスローガンに有益な情報をシェアしてくださっています。

原文(英語)

The Streaming Price Bible – Spotify, YouTube and What 1 Million Plays Means to You!
Several of our posts on streaming pay rates aggregated into one single source. Enjoy… [EDITORS NOTE: All …

実際にSpotifyで配信したアーティストZoe Keatingさん、The Cynical Musicianさんが、トリコロジストに寄贈したデータを分析したものです。やや昔、2014年の一例として興味深いです。

● 1再生あたり、0.00521ドル

● 日本円 105円=1ドルとすると、

1再生あたり、0.55円となります。

2例目:2019年の例(Jay Eskarさん)

次に、2019年になるとどう変わるか・・・EDMクリエイターのJay Eskarさんの例です。

Youtubeで収益を明かしてくださっています。

This Is How Much Spotify Paid Me For 500,000 Streams on a Song

● 50万回の再生で、収益は約911ドル。

● ドル円が1ドル=約105円だとすると、96000円弱となります。

これを50万回で割ると・・・

1再生あたり、0.19円となります。
中規模のインディーズレーベルのレポートとのことです。
約350以上のアルバムカタログが、どのストアでストリーミングされ、どのくらいの収益を上げているかを表しています。

どうして単価が下がったのか?

Spotifyに限ったことではありませんが、単価が下がることも興味深いです。

Sporifyの収益は、正式に公表されていません。アーティストによっても、時期によってもばらつきがあることにご注意ください。

トリコロジストのさきほどの記事にも書かれていますが、他のストアとの比較で、

ストリーミングサービスの規模が大きくなればなるほど、アーティストへの還元が低くなる

ことを明らかにしています。

考えてみれば当たり前な算数の話なのですが、すでにビジネスモデルとして崩壊しています

ざっくりと考えるために、月500円のサブスクだとしましょう。
有料会員が100人いるとします。
ストアは、50000円の予算を持っていることになります。
50000万曲が1曲ずつ再生されたとすると、1曲あたり1円。
(ここではストアの利益や、手数料は考えずにおきます)。
曲数が倍に増えて10万曲になったとすると、1曲当たり0.5円。
減りますよね。確かに。
実際はユーザー数も増えているでしょうから、有料会員数も増えているはずですが、曲数の増加に追いついていないわけです(もしくは、会社が利益を優先しているか)。

 

少なくとも、この問題はSpotifyに限ったことではなく、「定額ストリーミングサービス全て」に当てはまります。

最低でも、

● 再生1回ごとに、支払う最低金額を明確にする
● それをもとに、月額を見直す(曲数、利用時間による段階性課金など)

といった見直しをしないと、いずれ破たんしてしまう業界だと思います。

(クリエイターが全滅してしまうのが先か!?(汗

まとめ

トリコロジストグループは、別記事のタイトルで、

ストリーミングは「未来」であるが、Spotifyは「未来」ではない。

と表現しました。(2019-2020の記事では、もっとも危険視しているのはYoutubeのようです)

まあ、業界第一位のSpotifyを無視して、音楽配信はできないんですが・・・

実はクリエイターは(その単価の低さに驚きながら)、こうした情報を得ることもできず、当然ながら交渉もできません。(ディストリビューターに年会費を払っていてもです)

そのような現状もあり、海外では、掲示板などで多くの議論がなされています。クリエイター同士で情報をシェアし合ったり、助け合う風潮も出てきており、日本人としてはちょっと羨ましいかも!

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