本業は作曲業ですが、デザイン関係のお仕事もいただいていたため、イラストACやPIXTAなどの、画像系【ストックサービス】に登録していました。
昨年、個人的に思うところがあり、イラストACの利用を停止した経緯・理由を残しておこうと思います。(イラストACさまにはお世話になりました、ありがとうございました)
イラストレーターさん以外にも、あらゆる業種のクリエイターにも、同じ問題が起こる可能性があると判断したので、記事に残しておこうと決めました( イラストACさんの運営体制に異議を唱えるわけではありません )。
利用規約に書かれている、著作権の取り扱いについて
利用規約をよく読むと、以下のように書かれています。
※ 出典元:利用規約 https://www.ac-illust.com/main/terms.php
この条文が示しているのは、「すべての著作権を放棄し、イラストACに渡すことになる」ということです。
これは通称「包括的著作権譲渡契約」と呼ばれ、他のクリエイター業界でも(音楽業でも)よく見られる契約形式です。
著作権譲渡契約は、日本の文化庁が認めたちょっと独特な制度
この譲渡契約というものが、世界に比べ、日本はちょっと異質な感じがします。
この契約が悪であるというわけではありません。
たとえばゲームや動画では、フォント・イラスト・写真・音楽、色々と使います。
タイトル名やアップロード場所を変えて動画をのせたり、他のゲーム機種に移植するなど、そのたびに契約を結んでいたら、大変ですからね…。双方の同意があれば、良いのではと思っています。
ただ、個人的に思うところとして、本来どちらもクリエイターのはずなのですが、
「請け負う側」が、金銭的・社会的に立場が弱くなるという問題があり、そのサポート体制がないのが現状です。クラウドソーシングサイトなどでもはどんどん「請け負う側」が不利になる…という問題が起こっています。
請負側に対して、社会的なサポートがないのは、格差問題につながっていると思います。
乱暴に言えば、
請負クリエイター「じゃ、契約しません」→
会社など発注側「じゃ他のクリエイターに頼むわ」→…仕事が来なくなる
という連鎖が起こるわけです。
販売サイトの利用と、著作権の所在は、計画的に・・・
話を戻しまして、イラストACから撤退した理由は、
「すべての著作権を放棄されてしまう」
という点に不利を感じたからです。
具体的な例としては、他のサイトで売ることができなくなります。
販売場所は、たくさん持っておいたほうが、当然売れる可能性も高まります。
露出のために、いろんなサイトで登録しておくが、最終的な着地点として、
「マージンの低いところ」で売れるよう、集客を仕向ける…
という戦略が、クリエイターには必要になってくると思っています。
…個人的な話で恐縮ですが、私自身は、そうした(マージンの低い)最終着地点のサービスを作りたい…と思っています。
かといって、利用規約に注意しないと、他のサイトで売れなくなる!という事態がありえるので、手当たり次第に登録するのも危険、ご利用は計画的に…というお話でした…。
…利用規約が分かりにくいところに書いてあったので、これはやばい!と思い、全て削除・別データとして修正して、別サイトで利用させていただくことにしました…。
まとめ
他のダウンロード販売サイト・ストック型サイトでも、利用規約で【著作権の所在】を確認したほうがいいと思います。
最近話題のAmazon パブリッシング、楽天Koboなども、【うちだけで販売するなら、マージンを安くするよ!】という形になっています。
継続的に収入が約束されるケース、
たとえば、【漫画家+出版社】、【小説家+出版社】、【音楽事務所+作曲家・演奏家】などであれば、
昔から自然と受け入れられてきたケースですので、当たり前かと思うのですが…
【収入の保証はなし。委託販売するだけで、著作権に制限がかけられる】
というケースは、かなり後でつらい思いをすることになると思います・・・。
著作権やロイヤリティで制限がかけられる場合、計画性をもって、
どこに委託するか決めたほうが良いかと思います。
・・・あと、利用規約などはしっかり読まないとダメですね。反省。
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